PSTでアンルイスの六本木心中の再生

   

アンルイスの六本木再生に適したスピーカーシステムをいろいろ探しています。

真空管アンプ放浪記の佐久間さんはアンルイス六本木心中のバタ臭さとドン臭さを表現するため 強力なエネルギーを発するアンプ6336Aパラプッシュブルアンプを作りました。

スピーカーによりこれを実現するには、強力な磁気回路を持つスピーカーユニットによることが近道のようです。


各種フルレンジのバスレフ、マトリックススピーカー3種と聴いてきましたが、いまひとつでした。

強力な磁力を持つ国産スピーカーにフォステックスのFEシリーズがあります。

バックロードホーンでしか再生できないハイアガリのユニット群です。


私はFE166を小型バスレフに入れたスピーカーシステムをもっています。

かなりうまくアンルイスの六本木心中を再生してくれました。

ただし、ハイアガリでアンプで低域ブーストしても高域がうるさい感じがしました。

それでも情報量の豊富さに可能性は感じていました


長岡鉄男さんがPSTと銘々した方式(パッシブ・サーボ・テクノロジー)があります。

磁力が強力で高音過多になっているスピーカーユニットに適用して周波数特性のバランスをとります。

この間BOSEの101MMを分解したら内部に セメント抵抗 と コイル などが入っていました。

BOSEの考え方は完成したベストのスピーカーの音質を人が好む音質にチューニングするのが基本のようです。

小型のエンクロージャーにハイ上がりのスピーカーをつけてもキャンキャンとうるさいものです。

フルレンジスピーカーであってもネットワークで暴れるスピーカーの音質調整をするわけです。

セメント抵抗には驚きましたが、音がよければすべて良しです。



長岡鉄男さんのPSTもこれと同じ思想のようです。

「長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術⑤」に「小型化したシステムの低域をPST方式を利用して整える」という記事が掲載されています。

FE168Σを260×450×345のバスレフエンクロージャーに入れてPSTで低域調整をしています。

周波数特性を見ると40Hzまでフラットにしています。

BST-67.1と命名しています。


DSCN0730.JPGPST回路は8.2mHのコイルと8Ωの抵抗を並列にしてスピーカーの+側に挿入します。

中高域は155Hzぐらいから減衰しますが、8Ωだと6DBぐらいしか減衰しないとのことです。

コイルは20年前に秋葉原の三栄無線で8000円/個で入手したものを使用しました。

3.4mH,5.4mH,5.9mH,9.5mHのタップがあります。


このPST方式を私のFE166en小型バスレフに適用しました。 
 
原設計はスピーカーの+側にコイルと抵抗とコンデンサーを並列に挿入します。

コイルは9.5mH、抵抗はピスパやマルツで売っているLGMFS50シリーズです。

抵抗の値は30Ωを4本パラッて7.5Ωにしました。

コンデンサーは入れませんでした


FE166enのマグネットは600gで販売価格は7600円、FE168eΣのマグネット重量は721gで販売価格は19800円です。

この点からするとFE166enのコスパは高いものがあります。


これはいい!!

すばらしいです。

少しアダルトサウンドで耳にうるさくありません。


ひずみ感がとれ優しさ増しましたが、情報量の劣化はありません。

低域は硬く芯があり、音が少し太くなりました。

ついにアンルイスの六本木心中再生にぴったりのスピーカーシステムにたどり着いた思いです。


「長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術⑤」を参照すると私の製作したエンクロージャーのダクトはまだ改良の余地があります。

ネットワークともども微調整していけばコンパクトながらD-55に迫る音質のスピーカーシステムになりそうです。


とりあえずの試聴結果です。


・アンルイス 六本木心中  

ボーカルが浮かび上がり、演奏が邪魔をしません。

ボーカリストの細かなニュアンスから情熱が伝わってきます。

バタ臭さとドン臭さまでは無理ですが再生能力はすばらしいものがあります。

マグネットが更に強力なΣやスーパーにすると良いのかも知れませんが、今はこれで十分楽しめます。


             
・ホリーコール Jersey Girl

ベースの低音感は申し分ありません。

ボーカルは浮かび上がり今で以上に歌唱力が伝わってきます。

最後まで聴いてしまいました。


・Kenny Barron Trio Fragile

ピアノの音が美しいのです。シンバルはいまいちです。

長岡さんの設計はコンデンサ1μFを入れていますが、私のは入れていません。

しかし最後まで聞き惚れました。

今後の調整がたのしみになりました。

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